GNSS測量が早くなる[AR杭打ち]

GNSS測量が早くなる[AR杭打ち]

杭打ちがもっとラクになる[GNSS×AR]

2023年10月に日本国内での販売を開始した、CHCNAV社のGNSS測量機「i93」。高機能GNSSとして登場した「i93」の一番の特長は、アンテナ本体に搭載したカメラによって実現した、2つの新機能です。

この記事では、アンテナ本体にカメラを搭載したことで可能となった2つの機能「AR杭打ち」と「ビジュアルサーベイ」をご紹介します。

AR杭打ち

測量スピードがアップ

AR杭打ちでは、アンテナのカメラが映すリアルタイムの映像に、杭打ちポイントがどの方向にあるかや、ポイントまでの距離を合成表示。図面や航空写真を表示してポイントを探す従来の機能より、さらに直感的にポイントの方向や距離を把握することができます。

また、杭打ちポイントまで距離があるときは遠景用カメラの映像に方向を表示し、杭打ちポイントに近づくと足元を映す近景用カメラに自動で切り替わります。

ポイントが遠い時
2つのカメラで誘導をわかりやすく
ポイントが近い時

効果検証

AR活用で杭打ちはどれくらい早くなる?

実際の映像を使ってポイントまで誘導するAR杭打ちを使うと、杭打ちはどれくらい早くなるのか?

実際に4つの測量方法で同じポイントの杭打ち実験を行いました。GNSS i93(ARで誘導)、GNSS i83(図面上で誘導)、LN-150(ワンマン測量)、光波、この4種類の器械を使い、同じ条件で測量を行うことで、どれくらい時間に差が出るのかを検証します。

↓検証動画はこちら↓

【結果】計測時間は従来の1/6!

4つの測量機で比較した結果、AR杭打ちはもっとも時間がかかった光波による測量にくらべ、わずか1/6の時間で計測を終了しました。
これだけ大きな差がついた理由は、AR杭打ち、CHCNAV社製GNSSアンテナ、GNSS測量の3つの特長による相乗効果。

  • 【AR杭打ちの特長】
    次のポイントの方向や位置が直感的にわかるから、計測までの移動や位置調整がスムーズ。
  • 【CHCNAV社製GNSSアンテナの特長】
    器械の状態を正確に把握するIMUを標準搭載。測量機が斜めの状態でも測量できるから、気泡管で水平を確認する手間も削減。
  • 【GNSS測量】
    高低差や障害物がある場合も機械の据えなおしが必要ありません。空が開けている場所なら、GNSSアンテナ1台を計測ポイントに立てるだけで測量できます。

GNSS測量はどんなことに使える?

GNSS測量の精度は±3cm。そのため、ざっくりした位置を出したい場合や、ミリ単位の精度が必要ない現況測量に向いています。
ミリ単位の精度で正確に位置出しする場合は光波やワンマン測量機、すばやく測量したい場合はGNSS測量と、目的に合わせて使い分けるのがおすすめです。

ビジュアルサーベイ

測量モード
写真から位置情報を取得

GNSSアンテナ i93の搭載カメラを使用したもう一つの機能「ビジュアルサーベイ」は、撮影した写真から座標情報を取得する機能です。GNSSアンテナを立てられない場所や、計測ポイントの電波状況が悪い場合に行う補助的な測量として利用できます。

条件を満たせば、精度±3cmで計測が可能

ビジュアルサーベイ(測量モード)に適した条件の写真を撮影することで、通常のGNSS測量と同程度の±3cmの精度で座標化が可能です。

推奨条件

  • 計測したい場所から5m以内の距離で撮影
  • 対象物の周囲をまわるように複数の方向から撮影

モデリングモード
撮影した写真から3次元点群を作成

GNSSアンテナ搭載カメラで撮影した写真は、GNSS測量による位置情報をもっています。
この正確な位置情報付きの写真を写真測量ソフトウェアで処理することで、3次元点群を作成可能です。

3次元点群作成にもっとも適した撮影条件は3m先を撮影した写真で、±3cmの精度で点群データを作成可能です。25m先を撮影した写真では、XY精度±5cm、Z精度±5~7cmと、距離が離れるほど誤差も大きくなります。

簡易的な3次元測量や、UAV空中写真測量の補完として使用できる機能です。

  • 3次元点群データ作成には、別途 写真測量ソフトウェアが必要です。

高機能GNSS測量機「i93」

CHCNAV社製GNSS測量機 i93は、今回ご紹介した「AR杭打ち」「ビジュアルサーベイ」以外にも、数多くの便利な機能を備えた高機能モデルです。
お見積り、デモをご希望の場合は、ぜひご相談ください。