GNSS測量とは? 位置を測るしくみ

GNSS測量とは? 位置を測るしくみ

人工衛星で位置を測るGNSS測量

GNSS測量は、GPS測量とも呼ばれる人工衛星(測位衛星)から発信される情報を使って位置を測る技術です。
測量したい位置にGNSS測量機(測位衛星からの電波を受信するアンテナ)を立てるだけで、簡単に測量を行えます。光波による測量と違い、手元が必要なく1人で測量できることも特徴です。

CSS技術開発では、2006年からGNSS測量を導入し、日々の業務で使用しています。

GNSS測量とGPS測量の違い

GNSSとは、Global Navigation Satellite System(全球測位衛星システム)の略で、衛星を使用した測位システムの総称です。世界各国が管理するすべての測位システムを差す言葉として、測位衛星を使った測量技術の普及とともに使われるようになりました。

対してGPSは、アメリアの測位衛星の名称です。ですが、「GPS」は一般に広く普及した言葉のため、カーナビなど衛星を利用して位置情報を取得するサービスでは現在もGPSの名称が使われています。

測量で使われる測位衛星

地球の周りには数多くの人工衛星が周回しており、その中でも地上での位置情報取得のため情報を発信する衛星は測位衛星と呼ばれます。

測位衛星は各国が打ち上げてそれぞれ測位システムを管理しており、GNSS測量では各国の衛星データを使用することができます。現在は、複数の国の衛星を併用して測量を行う『マルチGNSS』が一般的です。

GNSS測量で位置を測るしくみ

衛星の発信する情報

各国の測位衛星はそれぞれ決まった軌道で地球の周りをまわっており、衛星からは『衛星の位置情報(軌道情報)』と『電波を発信した正確な時刻』の2つの情報が常に発信されています。
GNSS測量機はこの情報を受信し、計算を行うことで測地点の位置情報を確定させています。

情報から位置を計算

GNSS測量機は、衛星が電波を発信した時間と測量機が電波を受信した時間の差、電波の速度から、衛星と測量機の距離を計算しています。

電波の速度 × 電波が届くまでの時間 = 衛星と測量機までの距離

4つ以上の衛星から同時に情報を受信し、衛星から測量機までの距離を計算することで、各衛星からの距離がひとつに交わる点が分かります。この交わる点が、GNSS測量で観測される位置情報になります。

精度確保には4つ以上の衛星情報が必要

計算上では3つの衛星情報を受信できれば位置を出すことが可能ですが、高い精度を保つためには最低でも4つ以上の衛星の電波を受信する必要があります。
それは、GNSS測量機の内臓時計にわずかな誤差があるためで、その誤差による位置情報のズレを補正するために、4つ目の衛星情報が使用されます。

計測地点からいくつの衛星の電波を受信できるかは、GNSS測量機のコントロールソフトですぐに確認することができます。